● 南島ダニーデンへ…








数ヶ月振りのエッセイとなります。将来の夢に向かっての第1歩を「恐る恐る」踏み出し2月からダニーデンでの学生生活を開始しました。車に荷物を詰め込み、期待と不安にかられながらフェリーでウェリントンを発ってからあっという間に4ヶ月、月日が経つのは本当に早い物です。今回はウェリントンからダニーデンへの移動の様子をご紹介します。

北島南端ウェリントンから南島北端ピクトンへの移動はフェリーAharau(写真A)で約3時間半。以前は所要時間約半分の高速フェリーも運行していましたがフェリーの作りだす波が海岸沿いを傷つける、と問題視され廃止されてしまいました。乗り物揺れにとことん弱い私、初めてフェリーを利用した時は3時間以上の船旅、こりゃ大変!と酔い止め薬も飲んで緊張しながらの乗船。ところが、あまり揺れる事もなく初フェリー体験は快適その物!空路より時間はかかるけれど旅行気分が満喫できる、と今ではすっかりお気に入りの移動手段になりました。まぁ、今回の様に車で荷物を運ぶとなったら他に手段はないんですけどねぇ。

フェリーから一望するウェリントン港やピクトン到着前のマルボロウ・サウンドの美しさは毎回感激ものですが今回は生憎の曇り空。風も冷たく長時間デッキにいるのは無理だけど、せっかくだし新鮮な空気を吸いにちょこっと行ってみよう、とデッキに上がってみたら驚きの世界が!空一面に「わたあめ」のような雲が漂いぼやけ気味な景色、が、このぼやけた感じが神秘的な雰囲気をかもしだしていてなかなか良い絵になっていた…(写真B)。

ピクトンからはクライストチャーチ・オアマル・Moeraki Boulders 経由で、途中出くわす「これぞニュージーランド」的風景を楽しみにひたすらダニーデンを目指して南下。高台では、のーーーんびりしている牛達の後ろに広がる見事な風景。青々とした海と鮮やかな緑、牛の白黒、ペンキのはげた柵が微妙な色彩関係を…(写真C)。町外れでは数10年間放置されたであろう錆びた車&空き缶の横で人懐こい視線を向ける飼い羊が…(写真D)。この2写真、自然・動物・人工的創造物という3種類の組み合わせが芸術をうみだしている?

南島特有の古き白壁の建物(写真E・F)が今だ残るオアマルはペンギンでも有名。日没頃から海岸の高台へ出向き寒さと戦いながらペンギン数匹の帰りをひたすら待つ観光客、数十人。寒くなればなるほどペンギンを見つけた時の喜びはupする〜!ペンギンvs人間の我慢対決の様な気がしないでもない???翌朝は古い建物に囲まれた一角で開催される日曜の朝市へ。焼きたてパンの香ばしい香りが漂う中、手作りパン・ジャム・お菓子目当ての地元住民(家族連れ)で大賑わい。パンや野菜であふれんばかりのバスケットを抱えて古い街並みを歩く人々の様子は映画のワンシーンのようでした。

オアマルからさらに南下し、巨大な球状の岩が海岸沿いにズラーっと並ぶMoeraki Boulders(写真G)へ。人工的な物かと思いきや自然が創り出した作品との事。何処までも続いていそうな水平線の前で曲線美(?)を主張する岩達、なんとも不思議な風景でした…。

長時間ドライブの末、やっとダニーデンに到着!数々ある豪華な古き建物の中でもやはり1906年に建てられたダニーデン駅(写真H)は外装・内装共に見事。その駅前にはウェリントンでは見かけなくなった市内観光用2階建てバス(写真I)が…。到着早々「懐かしいな〜、ウェリントン…」とホームシック気味の夢美でした。


著者紹介

夢美(Yumi)
東京都出身,3姉妹の中間子。20数年間の全力疾走生活からパワー切れ状態に陥り、2000年ワーキングホリデーでウェリントンへ。以来その魅力にハマリ、かれこれ4年越しのウェリントン生活。パワー全開、好奇心旺盛な子供達に囲まれ体力の限界を感じつつも、刺激も多くこれこそ若さを保つ秘訣?と妙な期待を抱える今日この頃。現在の目標はBob the Builder と Thomas に登場する全キャラクターを覚える事。

将来の夢は日本で得た医療系知識とニュージーランドで勉強中の幼児教育のスキルを生かして小児科医療に関わる"なにか"をする事。


このコラムへのご意見・ご感想をおまちしております。こちらまで>>